Tsukasa Theater

脚本家/役者・近藤司のブログ

読書の春

映画撮影が始まって朝から晩まで拘束されている。おかげでたくさん本を読んでいる。映画撮影というのは拘束時間のほとんどが待ち時間なので現場には必ず本を持っていくことにしている。今回の現場は愉快な人が多いので割と会話をすることができて嬉しいけれど自分一人だけのシーンの撮影なんかだと自分以外はほぼ全員がセットアップをしていて一人ぽつんと座っていることも少なくない。今日は塩野七生の『人びとのかたち』を読み終えた。明日は途中で止まっている島田雅彦の『ドンナアンナ』を読み終えたい。

塩野七生にも島田雅彦にも思わせられるのは、安全なものには徹底した思考というのは無いということ。逆に徹底された思考は結果的に差別的な決めつけを含むことが多い。それはある一定のレベル以上の思考をしようとすると、前提のレベルも一つ上げる必要があるからだと思う。真理というのが散々嘘によって誇張されてやっと見えてくるのと同じで。

誰でも頷ける常識を土台にしたような思考には胸を貫かれることは無い。驚くような差別的な決めつけの中に目の覚めるような真理を感じることがある。

映画はとても面白いものになりそうなので期待してください。完成したら送ります。


おやすみなさい