Tsukasa Theater

脚本家/役者・近藤司のブログ

日本語でマイズナーをするにあたり2

それでは、マイズナーテクニックの最初のエクササイズ「単純なレペティション」を日本語でどのようにするか、書きたいと思います。

俺の今試したいアイディアは、最初のエクササイズを更に2つに分けるというものです。最初は「あなたは青い目をしている。」というような非常に機械的で断定的な文をお互い言いあいます。
この機械的に文をリピートするという作業は最初のステップとして非常に大事だと思います。そもそも、相手が「あなたは〜だ。」と言っているのに自分も「あなたは〜だ」と言うのですから、英語でする場合であっても、この最初のエクササイズは人工的にならざるを得ないのです。
これはとにかく「聴く」という作業に役者を集中させるための第一ステップとしてはとても重要だと考えます。この最初のステップでは、誰がレペティションをしても

Aさん)あなたは青い目をしている。
Bさん)あなたは青い目をしている。

と言った具合の、機械的なレペティションになるでしょう。
これをしばらく練習して、相手に注意を向け、相手の言っていることを繰り返すという作業に慣れたら、第二ステップに移ります。

いくら人工的なエクササイズとは言っても、自然な発話である方が良いと思われます。なぜなら、“You have blue eyes.”という文は英語だと日常で言うことはあっても、「あなたは青い目をしている。」という文は日本語では日常で言うことはありません。
そこでこの第二ステップで試したいと思っているのは、敬語、語尾、呼び方などを全て日常のレベルと同じにしてするというものです。例えば俺と、親友の佐藤君がこのエクササイズをするとしたら

俺)お前目青いねんな。
佐藤)お前目青いねんな。

となるでしょう。逆に、初対面の田中さんと近藤さんがこのエクササイズをすることになったら

田中)近藤さん、目が青いんですね。
近藤)近藤さん、目が青いんですね。

といった具合になるでしょう。もしくは田中さんが近藤さんよりもずいぶんと年上だったりすると

田中)目、青いんだね。
近藤)目、青いんだね。

となるかもしれません。つまり、日常でそれを言うように言わせるということです。ここで、英語でするエクササイズとは全く違う要素が一気に入ってくることになります。それは、年齢、性別、などの社会的な要素による振る舞いの違いです。これが入ることで英語でマイズナーをするよりもずいぶんと複雑で難しくなるかもしれませんが、それらの要素が日本語という言語に組み込まれている以上、その要素を無視することはできないと思います。日本語で演技をするための訓練をするのですから。それにもしかしたら、それが入ることでより面白くなる可能性だってあると思います。


次のエクササイズは「自分の観点(point of view)」と言われます。それでは、次のエントリーではこの第二のエクササイズで俺が試したいと思っていることを書きたいと思います。